事件:星空観測所のアリバイ崩し
〜 漆黒の夜空に消えたアリバイ 〜
日時: 20XX年8月10日 午後11時00分
場所: 霧ヶ峰山頂「星見ヶ丘天体観測所」主観測室
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事件の概要
流星群の観測会が催されていた山頂の天体観測所にて、館長である天野 巌(あまの いわお)がドーム型の主観測室で頭部を強く殴打されて死亡しているのが発見された。
発見時刻は午後11時ちょうど。主観測室の天体望遠鏡は北東の空を向き、モーターによる自動追尾モードで動いていた。
警察の調査によると、死亡推定時刻は午後9時30分から10時00分の間。
館内には天野を含めて5人が滞在していたが、観測ドームへ通じる廊下の防犯カメラは故障中で作動していなかった。しかし、観測室のPCには流星群撮影用のカメラが接続されており、観測データが刻一刻と記録されていた。
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登場人物
天野 巌(あまの いわお) — 被害者(62歳)
観測所館長。権威主義的で、若手研究者の業績を自分のものとして横取りすることで有名だった。
鷲尾 昇(わしお のぼる) — 准教授(45歳)
天野の側近。天野から研究資金の不正流用を擦り付けられそうになり、激しく揉めていた。犯行推定時刻(21:30〜22:00)は、1階の分析室で一人でPCデータ解析を行っていたと主張。
鷹野 まどか(たかの まどか) — 助手(28歳)
天野に論文を盗作され、学界での立場を奪われかけた研究員。犯行推定時刻は2階のビジターサロンで、来客の対応やコーヒーの準備をしていたと主張。
隼人 拓真(はやと たくま) — 写真家(35歳)
星空写真家。天野に貴重な天体写真の原版を破損され、賠償をめぐって紛争中だった。犯行推定時刻は屋上テラスで一人でカメラのタイムラプス撮影を行っていたと主張。
鶴見 節子(つるみ せつこ) — 事務員(55歳)
観測所の管理スタッフ。天野の横暴な人件費削減で解雇通知を突きつけられていた。犯行推定時刻は受付デスクで日誌の記入と電話対応をしていたと主張。
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物的証拠
- 現場の凶器: 天体望遠鏡の交換用重り(バランスウェイト・金属製)。指紋は拭き取られていた。
- 望遠鏡の制御PCログ: 午後9時40分に望遠鏡の架台設定(追尾モード)が手動で切り替えられていた。
- 天野の懐中時計: 衝撃で文字盤のガラスが割れ、午後9時45分で針が止まっていた。
- ビジターサロンのコーヒーサーバー: 午後9時30分頃に淹れ直された痕跡があり、保温プレートが温かくなっていた。
- 隼人のカメラ画像データ: 屋上で自動撮影されていた写真には、午後9時30分〜10時00分の間、屋上出入口を往復する不審な人物は写っていなかった。
- 鷲尾のPCログ: 鷲尾が使用していた分析室のPCは、午後9時20分から10時10分まで継続して巨大データの計算処理(レンダリング)を行っていた。
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証言
鷲尾 昇:
「私はずっと1階の分析室にいました。PCで大量の画像をレンダリングさせていたので、その間端末から離れていません。PCのログインログを見てもらえば分かります。」
鷹野 まどか:
「私は2階のサロンにおりました。9時半ごろに新しいコーヒーを淹れ、その後サロンにいらしたビジターの方々とお話ししていました。サロンからは1階や観測室へ向かう階段が見えますが、怪しい人は通りませんでしたよ。」
隼人 拓真:
「俺は屋上でタイムラプス撮影の設定をしてから、ずっと星空を眺めていた。屋上から観測室ドームの窓が見えるが、9時45分頃にドーム内の明かりが一瞬消えて、また点いたのを見たぞ。」
鶴見 節子:
「私は受付におりました。9時35分頃に外部から問い合わせの電話があり、10分ほど対応しておりましたので、その間受付を離れておりません。」

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