事件:虚空のタイムスタンプ
〜 ネットワークの海原で起きた密室殺人 〜
日時: 20XX年12月24日 午後11時00分〜11時15分
場所: セキュリティ特化型シェアオフィス「サイバー・ハブ」第4開発室 & 各メンバーの自宅
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事件の概要
クリスマスイブの夜、完全なセキュリティで保護されたオフラインの隔離ネットワーク上で、天才プログラマーの羽柴蓮(26)が自室のチェアに座ったまま、心臓を一突きにされて死亡しているのが発見された。
発見時、彼が作業していた第4開発室の物理的なドアは内側から二重ロックがかけられ、窓の鍵もすべて閉まった完全な密室だった。さらに、部屋に設置された監視カメラには、午後10時以降、誰も部屋に出入りしていない映像がしっかりと記録されていた。
不可解なのは、羽柴のPCに残された「最終コミット(プログラムの保存・送信)のタイムスタンプ」が【23:10】であり、その直後に致命的な心臓の刺し傷を負っている点である。司法解剖の結果、死亡推定時刻はまさにその【23:10〜23:15】の間と断定された。誰もいない、誰も入れない密室で、一体どうやって羽柴は殺害されたのか?
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登場人物
羽柴蓮(26)— 被害者
天才的な腕を持つセキュリティエンジニア。しかし、傲慢な性格で、オープンソースの重要プロジェクトから仲間を不当に排斥し、すべての手柄を自分のものにしようとしていた。
三好真琴(28)— フロントエンドエンジニア
羽柴の元恋人であり、共同開発者。羽柴にプロジェクトを乗っ取られただけでなく、開発したコードの著作権までも奪われかけていた。事件当夜は「自宅からリモートでシステムのテストを行っていた」と主張している。
小田切篤(34)— インフラエンジニア
ネットワークの構築を担当していた男。羽柴から度重なる理不尽な仕様変更を押し付けられ、過労とストレスで精神的に追い詰められていた。事件当夜は「自宅でゲームをしていた」と話している。
橘沙耶香(23)— 学生アルバイト
開発室で雑務やドキュメント作成を手伝っていた大学生。羽柴の不正なデータ改ざん現場を目撃してしまい、それを口止めされていた。事件当夜は「図書館で自習していた」と主張している。
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物的証拠
- 第4開発室の二重ロックドア: 内側からの鍵と電子ロックの両方がかかっており、外から物理的に開けることは不可能。
- 羽柴のPCのコミットログ: 午後23時10分に正確に保存された最新のプログラムコード。その最後の行には、意味深なエラーメッセージが残されていた。
- 窓際の小型ドローン: 開発室の窓の桟(内側)に引っかかるようにして置かれていた小型のプログラミング用ドローン。プロペラには微量の血液が付着している。
- ネットワーク接続のログ: 第4開発室のPCは外部インターネットからは完全に遮断されているが、同一LAN内の別の端末からの「リモート操作セッション」が午後11時00分〜11時12分まで接続されていた。
- 防犯カメラの映像: 廊下のカメラには、事件時間帯を含めて誰も第4開発室のドアに近づく人間は映っていない。
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証言
三好真琴:
「羽柴にあんな形で裏切られたのは事実よ。でも、私は自分の家でリモートワークをしていたわ。彼が死んだ時間、私は確かに自分のPCに向かってコードを書いていたもの。アリバイだって私のPCのログが証明してくれるわ」
小田切篤:
「あいつはいつも俺たちを下僕扱いしやがった。殺したいほど憎かったさ。でも、あんな堅牢な開発室のシステムをどうやって外からハックして殺人に使うってんだ? 俺にそんな高度なトリックは組めないよ」
橘沙耶香:
「羽柴さんは私にいつも冷たくて、秘密のデータをばらまかないように脅されていました。でも、私は本当に夜はずっと図書館にいたんです。信じてください」

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