事件:時計仕掛けのオンライン会議
〜 画面の向こうの空白の10分間 〜
日時: 20XX年10月15日 夜21時頃
場所: IT企業「ネクストコア」社長室、および各社員の自宅
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事件の概要
20XX年10月15日の夜、ITベンチャー企業「ネクストコア」の代表取締役・不破 徹(ふわ とおる、52歳)が、本社ビルの社長室で首を絞められて死亡しているのが発見された。
死亡推定時刻は夜20時30分から21時30分の間。当時、会社はリモートワーク推奨期間中であり、ビル内は無人のはずだった。しかし、夜21時から21時30分にかけて、不破社長を含む主要メンバー5名による「緊急オンライン予算会議」が画面越しに開催されていた。
会議中、社長は画面に映っていたものの、最初から最後までミュート(消音)の状態で、終始うつむいて資料に目を落としている様子だった。会議終了直後、社長の自宅にいる家族から「連絡がつかない」と通報があり、警察が社長室に駆けつけたところ、すでに息絶えた社長がデスクに突っ伏しているのが発見された。Webカメラは作動したままだった。
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登場人物
一ノ瀬 蓮(いちのせ れん) — 開発部マネージャー・29歳
若き天才プログラマー。社長が進める新しいAI事業の方向性を巡り、激しい口論をしていた。
- 動機: 自分の開発したAI技術を、社長が他社へ安値で売却しようとしていたため、それを阻止したかった。
- アリバイ: 自宅からオンライン会議に参加。会議中は熱弁を振るっており、ログにも自宅のIPアドレスからの接続が記録されている。本社までは車で片道30分かかる。
二階堂 冴子(にかいどう さえこ) — 財務部長・42歳
創業期から会社を支える堅実な女性。社長の公私混同な資金流用に頭を悩ませていた。
- 動機: 社長が会社の運転資金を横領している証拠を掴んでおり、それを公表すると脅されていた。
- アリバイ: 自宅から参加。会議中は予算の資料を画面共有しながら説明していた。本社までは電車で20分。
三木 谷(みきたに すぐる) — 営業部チーフ・35歳
人当たりが良いが、ギャンブルによる多額の借金を抱えているという噂がある。
- 動機: 社長から、成績不振を理由に今月末での解雇を言い渡されていた。また、社長のデスクの金庫にある裏金(現金)の存在を知っていた。
- アリバイ: 自宅から参加。会議中は終始、社長の意見に同意する相槌を打っていた。本社までは徒歩10分の距離に住んでいる。
四条 怜奈(しじょう れいな) — 社長秘書・26歳
社長のスケジュールや身の回りの世話を完璧にこなす優秀な秘書。
- 動機: 社長から執拗なハラスメントを受けており、精神的に追い詰められていた。
- アリバイ: 自宅から参加。会議の議事録をリアルタイムでチャット欄にタイピングして共有していた。本社までは地下鉄で15分。
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物的証拠
- 社長室のWebカメラ: パソコンの上に取り付けられた高画質な広角カメラ。会議中の映像はクラウドに自動録画されていた。
- 社長のスマートフォン: デスクの上に置かれていた。夜20時45分に、ある人物からの着信に応答した履歴が残っている。通話時間はわずか5秒。
- スマートフォンの通知ログ: 社長のスマホは夜21時12分に「スマートロックが解錠されました」という通知を受信していた。これは社長室の扉ではなく、社長の自宅の防犯システムの通知である。
- 被害者のデスク上の時計: 社長のデスクにある高級置時計。なぜか時間が「10分」進められていた。
- 社長室のエアコン設定: 通常24度に設定されているはずのエアコンが、なぜか「18度(強風)」に設定されており、室内は異様に冷え切っていた。
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証言
一ノ瀬 蓮:
「僕は21時からの会議に向けて、20時50分にはPCの前で待機していました。会議中、社長はずっと黙って資料を見ていましたが、いつものことだと思って気に留めませんでした」
二階堂 冴子:
「会議が始まる直前の20時55分頃、社長から私に『今日の資料の最終確認だ』と1通のメールが届きました。だから社長はその時間、確かに社長室で生きていたはずです」
三木 谷:
「21時からの会議中、社長の画面の背景にある窓の外で、遠くの打ち上げ花火が綺麗に映っていましたよ。確か21時05分頃だったかな。あぁ、社長は会社の特等席から見てるんだな、と羨ましく思いました」
四条 怜奈:
「私は20時45分頃に、社長に明日のスケジュールの件で一度電話をかけました。『今から資料を読むから切るぞ』と機嫌悪そうに言われ、すぐに切られました。それが社長の最後の声です」
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あなたへの質問
会議に参加していた4人のうち、アリバイが偽物である犯人は誰か?
その人物が用いたトリック(手口)と、決定的な矛盾点(証拠)を論理的に説明してください。


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